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高森明勅
2017.2.14 22:00

自民党はどこまで情けないのか

日本テレビが
「“天皇退位”自民党案、『一代限り』特例法」
というニュース。

民進党が皇室典範の改正や
女性宮家の創設に向けた議論を求めてい
ることから、
皇室典範の中に特例法案の
根拠となる規定を検討することや、
退位が実現した段階で皇位の安定的継承に
ついても検討すべきとの
内容も盛り込まれた」と。

何と情けない。

民進党がどうであれ、
皇位継承の将来はこのままでは極めて厳しい。

典範の改正は不可避。

にも拘らず、皇室の存続の為ではなく(!)
民進党に“譲歩”して女性宮家を検討するとか。

本末転倒も甚だしい。

また譲位に道を開くなら、「ルールなき先例化」は
絶対に避けねばならない。

皇位の尊厳を守り、その安定的な継承を図る為には、
恒久的なルール”の「確定」が欠かせない。

だから、憲法の要請が無かったとしても、
典範の改正が必要になる。

典範の改正それ自体が目的なのではない。

従って、典範に特例法の根拠規定を入れる
「改正」なんて、
恒久的なルールに繋がらない以上、
全く無意味。

と言うより、ルールなき先例化を「恒久制度化」(!)
するから、
むしろ有害だ。

自民党にとっては、皇位継承という国家の重大事も、
単なる政治的駆
け引きの材料でしかないのか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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